京都にて。10代の思い出
< 京都東山 三十三間堂 >
ここに来ると思い出す
10代の頃 此処の寺院に朝日新聞を配達してた
朝靄(もや)の中、重い自転車を必死に漕いでいた
不配があると高橋所長にドヤされたなあ
短気な人だった
取っ組み合いの喧嘩もした
辛くて辛くて田舎に帰りたいと思った時
線路の見える坂道で残った新聞と自転車を蹴り倒し
泣きながら東へ走る電車を見ていたなあ
理由が分からない敗北感
汗と涙が乾いて塩になって
しょっぱかった
今思うとホームシック真っ只中
最初の給料でおふくろにワンピース買って送ったっけ
不良でヤンチャで問題児
2980円
精一杯だった 喜ばせたかった
心配かけたくない
大人になったと思わせたい
ホームシックと思われたくない
悪ガキのプライド
電話をかける「きっかけ」が欲しかった
たばこ屋の外に出ている赤い公衆電話
やたら重い受話器
なけなしの10円玉20枚
お袋の声が聞ける
聞きたかった
2021年05月23日 (日) | SOMA